Jリーグ隆盛のために必要なこと
――これまでJリーグが歩んできた25年の道のりは順調ではないと。
(ロック総統) Jリーグを作ってきた人たちは順調だと言うかもしれないけれど、この部分は上手くいっていないよねという人たちがあまりにも少なすぎる。さも上手くいっているように見せている部分は多々あるので、そこら辺はやっぱり言うべきところだと思う。Jリーグ側が言わないんだったら誰かが言わなきゃいけない。それが僕のサッカー理念「今そこにあるサッカーを愛せ!」です。
――この先のJリーグについてはどんな想いがありますか。
(ロック総統) これからはアマチュアがしっかり隆盛していかないといけない。アマチュアでメシを食う人達の分母が広くないと。プロではメシ食っていけないと思っているので、アマで食うやり方の一つとして実業団のような形がもうちょっと認められてもいいんじゃないかと思う。
どうして実業団がダメだと言われてしまうのか。それはチームの名前を企業が名乗っているから。だからJリーグに入れないよという風になっているわけで。企業の名前を出さないことが本当にJリーグにとって良いことなのか。
その根底で考えると、別に企業を名乗っているクラブは世界中にたくさんあって、オランダだってフィリップスのチームがあるわけだし、バイヤーレバークーゼンのバイヤーだってバイヤー製薬のチームなわけだし、ヴォルフスブルクだってフォルクスワーゲンのチームだし、レッドブルズなんて露骨なのもあるわけですし。皆わかっているわけですよ。
企業チームを名乗ってもしっかりとしたクラブであるわけだから、そこを大前提として大きく崩してしまうとトップリーグはいいかもしれないけど、下部なんて何のメリットも無いですよ。そこはネーミングライツでも構わないので企業のチームとして名乗る。(例:ジョイフル本田つくばFCとか)だけど地域にもしっかり貢献するよというやり方さえあれば、もうちょっとアマは振興するのかなと思いますけどね。
今季、長崎にいた前田悠佑という選手がいるのですが、以前はホンダロックにいたんですよ。彼は特に高校・大学とさしたる選手ではなかったのですが、ホンダロックにきてからはもう王様ですよ。前田がいるのといないので試合にならないと監督が嘆くぐらい大事な選手だった。地方の実業団に所属していてもJ1にいける。このような流れが、もっと日本中にあれば良いと思う。
例えば、浦和レッズ対V・ファーレン長崎で、V・ファーレン長崎のボランチにいる前田悠佑って前所属はホンダロックか、あの宮崎で一番強い実業団ね。というように浦和のファンがしっかり理解できるぐらい、アマチュアに対する知識の深さがあれば、日本のサッカーは変わるだろうね。野球ファンだと名前の知らない選手が活躍しても、そこで出身が「PL学園」とか「Honda」とわかれば、なるほどこいつは間違いない選手なんだなと、多くのファンが共通認識できる雰囲気がある。浦和のサポーターが「HondaFC」はやるほうのホンダ、「ホンダロックSC」やらないほうのホンダと正しく理解するようになってくると、日本のサッカー文化は深みが増すと思いますよ(笑)
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――本日はお忙しい中ありがとうございました。
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錦糸町フットボール義勇軍 |
2014年春、日本のフットボールカルチャーに『革命』を起こすべく立ち上がった革命戦士。偉大なる伝道師『ロック総統』、その忠実なるしもべ『ライト曹長』、策士『オットナー参謀長』を中心とする、居住地域と支援蹴球団の枠に囚われない全国の同志義勇兵の総称。今夜も人知れず地下アジトで傷をなめあう非力なレジスタンス集団。その崇高なる理想は他ならぬ日本サッカー全体の『エンタメ的発展』。経費は録音用革命電池と革命飲料のみ。Podcast収録のために、都内の雑音なき録音可能スポットを求めて日夜さまよう。おじさん達。体力なし。 |
著書『KFG蹴球文化論』ラジオNIKKEIレギュラー番組『蹴球革命ラヂヲ』雑誌『フットボール批評』で連載。[ブログ]革命! 錦糸町フットボール義勇軍 |
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