サッカー馬鹿

2018.3.23

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第2次“専スタ”ブーム到来!サッカー専用スタジアムがもたらす日本サッカーの展望<長岡 茂 氏 インタビュー>

第2次“専スタ”ブーム到来!サッカー専用スタジアムがもたらす日本サッカーの展望<長岡 茂 氏 インタビュー>

はじめて市立吹田サッカースタジアム(パナソニックスタジアム吹田)を訪れたのは2016年10月、吹田市からの依頼で『スタジアムを中心としたまちづくり』というテーマで講演をさせていただいた頃に遡る。

総工費約140億8567万円のうち、法人721社(約99億5000万円)個人3万4627人(6億2200万円)の寄付金で賄われたワールドクラスのサッカー専用スタジアムに寄せる市民の関心、そして経済効果への期待もさることながら、あとに行われたスタジアムツアーで目の当たりにした最新鋭のスペックに驚愕した。サッカー専用スタジアムが与えるインパクトは想像をはるかに超えていた。

以来、2017年2月、ミクスタ(ミクニワールド北九州スタジアム)の新設をはじめ、京都や甲府、山形、平塚など全国各地で専スタ(サッカー専用スタジアム)建設の気運が高まっている。

しかしここで一つの疑問が浮上する。なぜ今、このタイミングで専スタブームが巻き起こっているのか。Jリーグにおける観客動員数が劇増しているわけではないのにである。「数字上では観客動員は増えている、しかし、それは単にチーム数が増えているからにすぎない。」「身の丈にあったクラブ運営をすべき。」など識者を中心に時期尚早を懸念する声も少なくない。

今回インタビューに登場していただいた長岡 茂氏は「こうした動きはヨーロッパのトレンドの影響であり、着実なステップアップである。」という見解を示している。そして今後、全国を席巻するであろうこの現象を『第2次専スタブーム』であると付け加えた。

 

――以前、とあるイベントで長岡さんの話を聞かせていただきました。中でも特に印象深かったのが、昨今は第2次専スタ(サッカー専用スタジアム)建設ブームだというお話です。今回はそのお話を掘り下げていきたいのですが、まずは第1次専スタブームについてお聞かせください。

(長岡) 第1次はJリーグ開幕当時まで遡ります。Jリーグありきで作られたスタジアムがほとんどでした。他の競技をやる前提がなかったのです。せいぜいラグビーとの兼用ぐらいでした。県立カシマサッカースタジアムでも、ラグビーのゴールポストがありましたし、練習や試合で使用されたこともありました。その後、ラクロスなどあまりメジャーではなかった競技の競技人口が増えることによって、今度は貸す側がサッカーだけ、ラグビーだけというわけにもいかなくなった。いろいろな競技とシェアしていこう、そういう意識が芽生え始めたのが、93年にJリーグがスタートしてから2000年に向かっていくところでしたね。

 

――しかし、ブームの衰退に伴い観客動員数が目減りしていった、そういう問題に直面したのは95、96年くらいですよね。

(長岡)Jリーグチケットの入手困難が問題視されたのは、開幕当初から3年後くらいまででした。そこからブームが沈静化されて、チケットの入手困難は聞かれなくなりました。

 

――早いですね。

(長岡) 早いですよ。それにチーム数も毎年のように増えていって。そうしているうちに97、98年頃になってくると横浜フリューゲルスのクラブ消滅問題とか清水エスパルスやベルマーレ平塚の経営危機問題が出てきました。バブルが弾けたことで、クラブの親会社の撤退によるクラブの存続危機。Jリーグがスタートして10年も経たないうちに解散に追い込まれるクラブが出てきてしまいました。一緒にやってきた仲間として他人事ではなかったですね。その反面96年に、2002年ワールドカップの開催(共催)が決まったことで、なんとかここを耐えしのいで2002年に繋げられればという思いでした。

 

――おそらく一般の方のイメージと違いますね。Jリーグ開幕からワールドカップ開催まで一気にという印象がありましたけど、その間に深刻な衰退があったのですね。

(長岡) そうですね。そもそもクラブ側も正直なところ、これほどまでブームが起きるなんて、開幕前に誰もが予想していなかったですからね。93年にJリーグがスタートしてどの試合でも満席、チケットがなかなか手に入らないほどのブームでした。そりゃもう嬉しい悲鳴でしたけど、やはり一過性のブームで終わらせたくはなかったという思いはありました。

しかし現実問題、時間が経過と共に観客動員数が減っていった。開幕前に思い描いていた「地道にコツコツとお客さんを増やしていこう」という考えが、反転してしまったわけです。集客のノウハウを培う前に、スタンドが一杯になってしまったから、「さあ、どうやってお客さんを呼び戻すか?」という試行錯誤が始まりました。

 

――そして専用スタジアム不要論がささやかれるようになった。

(長岡) 客が入らないのにサッカー専用にする必要があるのかと。他の競技、陸上競技と一緒の方が利用率を確保できるのではないか、当時はそこに反論できるだけの材料がありませんでした。

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